スポーツを専門とする学生たちを日々指導して行く中で、学生には、学内での講義や演習だけでなく、優秀な指導者の「最新の実践」や「生の声」をできるだけ多く見させ、聞かせたいと考えている。
なぜならそういった情報は学生に刺激的で、自ら考えるきっかけとなり、競技や学習の意欲を高めることに有効であると考えているからである。しかしながら地方の大学では、そういった刺激が容易に手に入らないのが現状である。
そのような目的で、私の担当する授業では、講義科目と実技科目それぞれにおいてDVDの映像を活用している。
1)コーチングを専攻している学生を対象にした講義では、チーム作りをテーマにした単元において、チーム作りの一般理論の講義とともに優秀な指導者の実践編として中川文一先生のインタビュー(「強いチームを作る」)を視聴させている。学生たちは優秀な指導者の「言葉」を聴くことで理論(講義内容)と実践(DVDの内容)をつなぎあわせることができるため、将来目指すべき「コーチング」を具体的にイメージすることができると考えている。
2)実技科目「バスケットボール」ではシュートスキルの獲得にDVD「キッズシューティングプログラム」(日高哲朗先生)を活用している。授業ではDVDを一度に全編見せるのではなく段階的なスキル獲得に合わせ、部分的に、複数回視聴させている。またこの「キッズシューティングプログラム」は子どもが対象となっているため、バスケットボールが専門外や苦手と感じている学生たちにとってもわかりやすい内容となっているだけでなく、子どもができるのであれば「自分にもできる」と言う動機付けにもなっていると感じられるなど副次的な効果も得られている。
講演会や指導に来ていただくことが難しい分、今後も映像を用いることで学生たちに刺激を与えて行きたいと考えている。もちろん関西地区での講演会やクリニックの開催、本学での特別講演など学生たちに「生」の声や指導をいただく機会があれば最高であると考えている。