技術指導の次の段階は、
5.技術を身体に植えつけること、しみ込ませることである。知的な理解で終わっている限り、技術は具現化しない。体で行使できて初めて技術を身につけたと言える。
そしてさらには「いつでもできる状態」すなわち、
6.その状況におかれたときには、いつでも正しくその技術を行うことができなければならない。そのためには幾度となく繰り返し練習することが絶対に必要である。
多くのプレーヤーはつらいから練習が嫌いになるのではなく、その退屈さに耐えられないのだ。良いプレーヤーになるためにはひたすら同じ動作を繰り返し身体にしみ込ませなければならない。その単調な練習に耐えることができた者のみが確固とした技術を身につけ、一流プレーヤーになれるのである。
しかし、この技術習得の根底には子どもたちの意欲が欠かせない。「学びたいという意欲、教えてもらいたいという欲求が強い場合に、技術習得はスムーズに効率的に行われる」ということを決して忘れないことだ。この局面に配慮できる指導者はまず失敗しない。このことについては稿を改めて論じたい。
*参考文献「ウイニング・バスケットボール」B・ナイト、P・ニュエル著 笠原成元監訳 大修館書店