バスケットボールのようなスポーツの技術指導を行う場合、以下に述べるような手続きを踏む。
1.その技術とはどんなものであるかをわからせ、
2.なぜその技術を使うのか、その理由もしくは根拠を説明し、
3.その技術はどのように行うのか、その正しいやり方を示し、
4.それはどんなときに使われるのか、その状況を説明してやらなければならない。
しばしば理由や根拠が明示されず、どんな場面で使うのかが説明されないままに指導が行われることがあるが、それでは子どもたちはその技術を身につける意味を理解することなく練習することになるので、主体的・積極的に打ちこむことができない。
子どもたちの目には強制的な押しつけの指導に映り、不信感を抱いたまま、ただ与えられた課題をこなすだけの練習に終わってしまう。その技術は実際のゲーム場面でどんなに役立つのかがわかっていれば、たとえその練習法が子どもたちにとって楽しいものではなくても、その技術習得の価値を納得しているので、怠惰な練習に陥ることはない。
そうした説明はことばだけでは理解させにくく、コートの上で実際の場面を想定して説明する方がはるかに理解させやすい。見ることでことばの上では説明が省略されてしまっていることまでにも理解が及ぶ。指導者はことばですべてを説明できるわけではなく、目に訴えることによって無言のうちに説明していることが多いのだ。