最終更新日
Thu, Mar 13, 2008
「技術指導の手順」

1)優先課題
 スポーツの指導という場合、特に子どもを対象とするときには、スポーツ活動を通してさまざまな予期できない教育的効果を期待することも決してないわけではない。むしろそのことが強調されることが普通で、礼儀のことや協調的態度の養成あるいは克己心の育成が主張されたりもする。

 が、やはりスポーツ指導という場合には、直接的には記録や技術の向上を目指すものである。ボールを使うチームスポーツであれば、それにチームワークや戦術の理解が加わるはずである。もちろんそれらの土台には体格や体力の問題が深く関わっており、競技によっては、あるいはレベルによってはこの側面の解決こそが指導の最優先課題に挙げられることもある。

 とはいえ、指導者の直接的な喜びは、子どもたちが記録や技術を向上させていく姿を目にすることであり、日ごとに変わっていく過程をつぶさに観察することである。そしてもしその成長の過程に自らが深く関わっていると感じることができれば、それは無上の喜びとなる。それゆえ、指導者はどんな指導のやり方が子どもたちの向上を刺激し、促進させるのかということについては大きな関心を持ち、指導法についての知識を深めようと努力するわけだ。