最終更新日
Fri, May 29, 2009
 選手の心をつかむ 〜「選手の『主体的な取り組み』を育む」
 大西武三先生の研究テーマは「ハンドボールにおけるコーチング」です。初心者から一流競技者まで、あるいは少年から高齢者まで、ゲームの分析を通して何が課題となり、どのようにトレーニングをすれば、目標としているハンドボールになるのか、それを現場でのコーチング活動と同時に実践しながら追究してきました。

 ゲーム分析によってハンドボールゲームの構造を明らかにし、それを構成している技術・体力・戦術の理論的な究明を行い、最終的にそのトレーニングの効率的な方法を見出すことが目標です。これを指導の面から言えば、チームが目指すゲーム目標に向けて、練習内容を精選し、個々の選手が自分の役割を果たすことができるようにすることだと言います。

 「チームプレーと言うのは選手の個人技の集大成であって、個人技なくしてチームプレーはあり得ない。個々の自立した能力を集約したのがチームであり、だからこそ優秀な選手を集める代表チームが成り立つのである」。では個人の能力を高めるためにどのようにすればよいのか。練習のための練習にしないためには、個々の選手のモチベーションをどう形作るのか。ここでもゲームでの個々の選手の分析、そして評価が大切になります。ハンドボールゲームでは1ゲームで60〜70回の攻撃が行われます。攻撃率、ミス率等といった形で「数値化」することで、目指すプレーとの比較により選手自身が評価することができるようになります。

 「対外練習試合はほとんどやらない」「チーム全体を数チームに均等に分ける」「練習時間は1日2時間30分から3時間、日曜日は休み」「日々の練習はキャプテン中心に進める」。大西先生のことばを聞けば聞くほど、もう一歩伺いたいことが増えます。32年間に及ぶ男子部監督時代に関東大学リーグで春秋合わせて優勝15回、大学選手権では優勝3回、準優勝3回、3位12回という輝かしい戦績をあげた、その背景にはどんな指導理念と冷静な分析があったのか、ハンドボールという1競技にとらわれず、あらゆるスポーツの指導者にとって有益な知識と経験を共有したいと考えます。


大西 武三(おおにし・たけぞう)1945年大阪府生まれ。筑波大学名誉教授。体育学修士。元筑波大学男子ハンドボール部監督。大阪府立寝屋川高校でハンドボールを始める(インターハイ、国体3位)。東京教育大学に進み(インカレ3位、全日本総合、NHK杯室内ベスト4)、67年にはナショナルチーム選手として世界選手権に出場。その後、東京教育大学大学院に進むと同時に、同大学女子ハンドボール部の創部に関わり、初代監督に就任。76年からは男子ハンドボール部監督に就任し、インカレ優勝3回・準優勝3回・3位12回、選手・監督としてインカレ45回連続出場。この間、ナショナルチームコーチ、学生ナショナルチーム監督を務める。32歳から日本ハンドボール協会常務理事に就任し、01年〜07年には専務理事を務めた。
大西武三氏
テーマ
選手の心をつかむ 〜「選手の『主体的な取り組み』を育む」
講義内容
 ハンドボールは手を使って思い通りに誰でもプレーできるスポーツです。だからこそ「戦術」が重要になります。サッカーなどでもハンドボールは戦略を学ぶのに良い教材となっています。実は大西先生は当時24歳で、日本で初めて開催されたFIFAコーチングスクールに講師として招かれ、アジア各地から選ばれた指導者に対してハンドボールを教えた実績があります。これはスクールの多和健雄校長の依頼によるものでスクールマスター、デトマール・クラマー氏もハンドボールの講習をフォローしてくれたそうです(*加茂周氏がこのスクールに参加して初めてサッカーの指導を体系的に学んだと言っています)。
 23歳で東京教育大学女子部監督、31歳で筑波大学男子部監督、32歳で日本協会の常務理事と若いときから日本ハンドボール界に関わってきた大西先生から、その一貫した指導理念(選手の主体的な取り組みを育む)を具体的な指導を例に伺っていきます。監督になった当初は選手と一緒になって厳しい指導を行っていたそうですが、20年ほどしてから「見守る」指導に変わったそうです。では「選手の主体的な取り組みを育む」また「見守る」指導とはなんでしょうか?
座学前半は大西先生のお話を伺い、後半には参加者全員とのディスカッションを展開します。大西先生に対する質疑だけでなく、参加者ご自身の経験談、それに対する意見交換など活発な交流を図っていきます。 *講習内容は変更される場合があります。
開催日時
開催日:平成21年6月29日月曜日

開催時間:午後6時30分〜午後8時30分 *受付は午後6時になります。

開催場所
東京体育館 第2会議室 *ご案内図
東京都渋谷区千駄ヶ谷1-17-1  TEL 03-5474-2111 
JR中央線・総武線各停 千駄ヶ谷駅徒歩1分
都営地下鉄大江戸線 国立競技場駅 A4出口徒歩1分
募集対象
育成指導に興味のある指導者、指導者を志す方
*ハンドボール以外の指導者の方も大歓迎です
募集定員
男女・経験を問いません、30名
受講料
一般1名 5,040円(税込) *税抜き4,800円
学生割引1名 3,150円(税込) *税抜き3,000円
*学生割引は専門学校生、大学生、大学院生を対象とします。お申し込み時に、学生証の「在籍する学校の名称、学生証番号、有効期間」を必ずお知らせください。申し込みフォームの「メモ」欄にその旨ご記入ください。
事前のお申込み、お支払いが必要になります。
*講習終了後、講師を含めた懇親会を予定しています(会費別途5,000円程度)。
本会会員には会員割引(5%引き)が適用されます。この機会に入会をご検討ください。
入会案内入会申込書はこちらから。
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