「選手が伸びようとする際に障壁となるものを取り除いたり、乗り越えるためのより良い選択肢を提示できたりすることが指導者の役割だが、そこで意識せざるを得ないのが選手との距離感である」と大山圭悟監督(筑波大学陸上競技部監督・同大学大学院人間総合科学研究科講師)は言います。新進気鋭の指導者であるだけなく、選手の身体に直接関わるトレーナーとしての実績も豊富な大山監督ならではの視点です。
選手の状態や環境は日々刻々と変化しています。それを敏感に感じながらどのように選手と距離を保ち、向き合うのか。指導者であるならば、常に考えざるを得ない大きな課題であるのは間違いありません。ポイントは「ヒット=近づき、働きかける&アウェー=離れる」。具体的な事例をあげていただきながら、選手との距離感をどのように考え、対処されているのか、その意図までを含めてお話しを伺います。