「競泳というと個人競技で、チームで強くするというイメージが沸いてこない人がほとんどだと思います。しかしコーチが変わっても同じ結果を残せる組織を作ることこそが一番大切です。」筑波大学水泳部競泳監督の椿本昇三氏(筑波大学大学院人間総合科学研究科教授)が重視するチーム組織論を伺う機会を設けます。
97年に同部監督就任後、真っ先に手を付けたのは水泳部の組織作りだったと言います。コーチを作り、自立できる選手を育てる。国立大学法人で弱小チームだった筑波大学から3年後のシドニーオリンピックに初めて代表選手を送り込んで以来、アテネオリンピック、北京オリンピックと連続して代表選手を輩出しています。その間、コーチは変わっていますが、同じ結果を生んでいるその秘密は、チームで強くしているからだと言います。
コーチを作りながら、どうやって選手を育てるのか。組織を変え、スタッフとの関係、選手との関係をどのように築き、それを機能させるのか。指導フィロソフィーである「賢い選手をつくる」ことに注力しながら、山積する課題に取り組んできた実際を、椿本監督に伺います。