選手が自らパフォーマンスを高めようとするときとは、「適度な自信」を持っているときとも言えます。彼の潜在的な能力を自ら引き出す働きをするのが「自信」なのです。しかし「自信」はさまざまな要因によって日々変化します。「自信」はあり過ぎてもこの自発的な働きを生みませんし、「自信」がなければその意欲すら生まれないでしょう。
指導者にとっては、この自発的な働きかけを選手に促すことが指導力のひとつの指標ともなり得ます。選手の日々の変化を観察し、選手ひとりひとりの「自信」に対する働きかけを行うことで、潜在的な能力を引き出して行ければ、「選手の心をつかむ」大きな一歩になるはずです。
第1回目『「叱り方」を考える』に引き続き、講師には田部学氏(FC東京 U-15むさしコーチ)を迎えます。ひとりひとりの顔=特徴が見えるサッカーを目指しておられる田部氏が、どうやって選手の「自信」レベルをコントロールしているのか、その斬新な視点をぜひみなさんと共有したいと考えています。
田部氏は4月より札幌大谷高校サッカー部に監督として招かれ、新たなステージへと進まれます。私たちはその前にもう一度、彼のサッカー指導論を伺いたいと考えました。それも彼の母校である筑波大学キャンパスを特に選びました。後輩たちが学ぶ場所で、ぜひ彼の信念を直接伝えていただきたいと考えたからです。