スポーツ社会学を専門とする日高哲朗千葉大学教授は、大学の先生らしくないかみ砕いた講義で有名です。特に海外の難解な最新理論を巧みなたとえを用いて解説されると、聞いている私たちがにわかに頭脳明晰になったかのような錯覚さえ覚えます。日頃何となく感じていたことに「方向性」を与えられる感覚です。
今回は「選手の心をつかむ」という大きなテーマに対して、スポーツ指導の現場から見た「コミュニケーション」についてまとめていただきます。指導者の「ことば」がどのように「選手」に伝えられ、理解され、受け入れられるのかを理論的に整理するとともに、日高先生自身の身近な例をあげながら「理論」を具体的な事例に結びつけて解説していただきます。
「何やってるんだ!」ということばにはどんな意味があるのか?
コートでじゃれ合っている選手は「元気」なのか「騒がしい」のか?
選手はなぜ指導者のことばを聞こうとするのか、あるいは聞こうとしないのか?
他にも取り上げられる具体的題材は多数ありますが、指導する立場からの「コミュニケーション」論をぜひ一度整理する機会にして欲しいと願います。