NBAの違いは、高度な競技レベル、高給なサラリーの他、彼らを支えるスタッフ陣の厚さだろう。ヘッド・コーチのもと、頭脳と経験を持ったアシスタント・コーチ、プレイヤーの体を医学的・科学的に管理するトレーナー、そして専門医がついている。トレーナーには全員を管理するアスレチック・トレーナー、アシスタント・トレーナー、さらに一流プレイヤー専属のトレーナーがいる。
ドクターは、外科,内科、歯科、カイロプラクティック、マッサージ・セラピストで、それぞれ一流の専門医だ。足の故障をしたアントニオ・デイビス(Antonio Davis)がチームのカイロプラクター、ジョウ・ペリーノ(Dr. Joe Pelino)の Acitive Release Technique という手法の治療を受けた後、"You are bad!" と首を横に振りながらゲームに復帰した。これは、「復帰できないはずの体をお前に治されちゃったよ。」という賛辞である。筆者はそこに居合わせたのだが、Joeが筆者の隣にいた女性を紹介してくれた。彼女の名はジェイミー・サレ(Jamie Sale)。2002年冬季オリンピックで金メダルを獲得したカナダのフィギュアスケーターだ。Jamieは筆者にこう話してくれた。「明日の試合にはどうしても出たい。捻挫した足首を楽にしてほしいから、Joeに診てもらうために、たった今飛行機で飛んできたのよ。」その言葉がDr. Pelinoの専門性の高さを十二分に物語っていた。